毎日忙しく道を行き交う貨物トラック。そのトラックをつくるトップメーカー、日野自動車の本社工場ではたらく私たちは、日研総業という業務請負会社から派遣されている派遣社員です。
 日野自動車の本社工場には、複数の派遣会社から私たちのような派遣社員が送り込まれているほか、期間工とよばれる短期契約社員もいます。実は工場ではたらく約3,000人の労働者の半数を、こうした非正社員が占めています。
派遣社員や期間工のしごとは正社員を補助する雑用程度と思っている人も多いかもしれません。しかし、実際はそうではありません。自動車工場はいわゆる3K労働職種のひとつで、一歩間違えば命を落としかねない危険が伴います。私たち非正社員も正社員も、その同じ製造ラインで毎日一緒に油まみれになって汗を流し、しごとのうえでは苦楽を共にしているのです。
 しかし正社員と非正社員の待遇には大きな格差があります。
 正社員には一時金や昇給があり、30才代になると年収は数百万も違います。退職金や福利厚生制度も完備しています。
 一方、私たち非正社員は、昼夜交替勤務で残業を月20時間以上、深夜残業も月50時間やっても、1カ月の平均賃金は24万円程度にしかなりません。(別表参照)。時給制なので、夏冬の休みや減産で労働時間が減る1、5、8月はそれをも大きく下回ります。日研総業の場合、「月31万円以上可」と募集していたのですが、過労死するほどはたらいたとしても、31万円を上回ることはおそらく不可能です。さらに、2、3カ月ごとに日野自動車の都合で更新をくり返す細切れ雇用ですから、いつまで働けるかをいつも心配しながら先行き不透明な生活を送らざるをえません。ケガや病気になれば契約延長はまずありないし、減産で人が余れば容赦なく切られます。
 最近、私たちと同じ立場の「偽装請負」が大手メーカーの製造現場で広がっていることが次々発覚し、大きな社会問題になっています。日野自動車では職業安定法に違反して、私たちを「偽装出向」させていたことが明るみに出ました。こうした事実を私たちが知ったのは、新聞報道によってでした。私たちはだまされていたわけですが、当事者である私たちに対しては、いまだに日野自動車からも日研総業からも一切説明がありません。
 人をバカにするのもいい加減にしてもらいたい。一生懸命働いているのに、なぜこんな使い捨ての消耗品のような扱いを受けなくてはならないのか!
 同じしごとをしているのだから、賃金も同じだけ支払うべきじゃないのか! 細切れ雇用で都合良く使いたいというのなら、先行きが見えない分、正社員よりも高い時間給を支払うのが当然じゃないのか!
 労働局の幹部が私たちを指して、「おそらくこの人たちは、一生浮かび上がれないまま固定化する」と語ったといいます。(朝日新聞06/7/31)
 蹴散らしましょう、こんな言葉は。
 会社にとっては使い捨ての道具かもしれない。しかし、私たち一人一人は生きた人間なのです。私たちにだって生活がある。未来に希望を持ちたい。家族によくしてやりたい。
 私たちと同じような働き方で、悩み苦しむ人たちがいま日本社会にあふれ返っていることが私たちにも分かってきました。そうならば、同じ問題を抱えている私たちが力を合わせて異議申し立てを行えば必ず状況は開けるはずです。
 
みんな、手をつなごう。力をあわせよう。
 「ガテン系連帯」の設立、ここに宣言!


2006年10月27日

ガテン系連帯
共同代表 池 田 一 慶
       木 下 武 男

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